Grand Prince Hotel AKASAKA
先日、3月に営業終了が決まっている「グランドプリンスホテル赤坂」に宿泊してきました。
丹下健三氏による設計で1982年竣工、施工は鹿島建設でした。
地上40階建の超高層ホテル。4mを基本寸法とする客室ユニットを雁行させ、全ての客室がコーナールームとなるように計画され2方向のビューを確保する基準階平面をもつ建築です。
当初の計画では、総ミラーガラス張りの外装だったそうですが、西日の反射が自動車の運転に悪影響を与える可能性があるということで、現在のガラスとアルミパネルの張り分けになったそうです。
「草月会館」や「ハナエ・モリビル」の外装イメージで仕上がった建物も是非見てみたかったですね。
入り口側から見た室内、開放的な明るい空間という第一印象です。
ベットサイドより景色を望む。大都会が目の前に広がっていますよ!
ベットサイド。家具類は既成品ではなくおそらくオリジナルではないかと。
入り口扉に張られている案内図、貴重な平面図ですね。
客室内にはエーロ・サーリネンのデザインしたチューリップチェアやサイドテーブルが顕在でした。
一階エントランス。スキップフロアー構成で地下に空間が広がります。
バブルを象徴する建物としての「赤プリ」はあまりいい印象は持っていませんでしたが、
実物はそんなイメージを払拭してくれました。周到に計画された客室平面、デイテール。
エントランスのダイナミック空間構成など、設計者の「崇高な精神」を感じました。
建築的希少価値で考えても是非残してほしいし又、単純に築28年そこそこでこんなに大きな建築物を壊してしまっていいのかという素朴な疑問も建物を見上げながら、わきあがりました。
運営会社からのコメントは「施設老朽化と外資系ホテルの進出による競争激化から閉館する」とのことで、閉館後は旧館を保存、新館を取り壊す予定となっているそうです…。
そろそろ「スクラップアンドビルド」という考え方をもっと慎重に考える時期にきていると思うのですがねぇ。
HPへ戻ります。 http://www.ab.auone-net.jp/~t.y.a
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