Feathercraft
10年ほど前、ある湖畔にてキャンプ泊を楽しんだ翌朝、湖上に立ちこめた幻想的な霧を見ていると、
無償に湖に出たくなりました。すぐに貸しボートを調達し、湖上の人になりました。
早朝のせいか、薄らと霧が立ち込めた湖にはオールを漕ぐ音と時々、鳥の鳴き声がするだけで
「無音」の世界が広がっていました。
ボートの目線は湖面に近く、今までいた陸地や遠くの景色がまるで違った風景に見えました。
この時の経験が忘れられず、水の上で身軽に、自由に動けるような手段を模索しはじめました。
そして「カヤック」という存在をしりました。歴史の記録にあらわれるのは18世紀頃ですが、
おそらくもっと昔から使用されていた可能性があるということです。アラスカなどで主に漁に使われ、
骨組みを木で、船体をアザラシなどの毛皮でくるんだような構造でした。
今回取り上げるFeathercraftは、その伝統的なスピリットを継承し、本拠地をカナダにおく
ホールディングカヤック(組み立て型カヤック)のメーカーです。クラシカルな造形美と
熟練されたスキルを持った職人さんが最高水準のカヤックを創りあげていることで知られています。
Feathercraftのフレームはマグネシウム/アルミ合金チューブからできています。
そして特殊な船体布と特殊な溶着工法にて丈夫で水を通さない船体を完成させています。
そんな最新の技術に裏打ちされているフォルムは文句無しに美しいです。
Feathercraftの全てのモデルはツーリング用としてデザインされていて、モデル毎に明確な特徴や
性質の違いがあり、体格や技量、趣向に合わせてチョイスすることができます。
分解してバックパックに詰め込み、どこへでも連れていけますよ!
海の上を生き物のように船体をしならせながら自然に溶け込むように進むフィーリングが好きです。
オールを漕ぐ手を休めて、海の上で波にユラユラ揺られていると心が開放されます。
そして、帰ろうかなぁと思ったらバウを陸地に向け、オールを漕ぎだす。
私は、そんな自由でプリミティブな感じと同時に、海の上で一人「船」を操るある種の緊張感、責任感が
混在しているこの儚い「乗り物」がとても気に入っています。
HPへ戻ります。 http://www.ab.auone-net.jp/~t.y.a
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